中秋の名月 中秋の名月
  • 中秋の名月の意味とは?十五夜はいつ?

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中秋の名月

皆さんは毎年お月見をされていますか?
お月見といえば毎年9〜10月頃、十五夜の日にお月見団子などを用意して行われることが多いですよね。ピラミッド型に飾られたお月見団子を想像される方もいるかと思います。
この行事のことを「中秋(ちゅうしゅう)の名月」と呼ぶこともありますが、そもそも中秋の名月とは何のことなのか。ここでは中秋の名月の意味や由来、お供え物などについてご紹介させていただきます。

中秋の名月(十五夜)の意味・由来とは?


中秋の名月の意味

中秋(ちゅうしゅう)の名月とは、旧暦8月15日の十五夜にお月見をする習わしのことです。
旧暦では7、8、9月を秋としており、その真ん中である「8月15日」を中秋、そして、その晩に上がる月のことを「中秋の月」と言っていました。更に、この頃の月が一番綺麗に見えるということから「中秋の名月」と言われるようになったそうです。

「中秋の名月」はいつ?

太陽暦に基づき決まるものなので、毎年日付が変わり、2022年は9月10日(土)で、2023年は9月29日(金)、2024年は9月17日(火)と先の日も決まっています。

「十五夜」はいつ?

さて、これまで「中秋の名月」について説明をしてきましたが、実は「中秋の名月」と「十五夜」には違う点があります。
十五夜とは満ち欠けによる月の呼び名で、毎月15夜目の月のことを言います。そのため、単に十五夜といった場合は、中秋の名月をさすことが多いですが、「中秋の名月」は旧暦8月15日の夜に見える月のことを指しますので、言い換えると、十五夜は毎月に来るもので、中秋の名月は年に一回だけという違いがあります。

ちなみに、お月見行事は十五夜だけではなく、「十三夜」と「十日夜(とおかんや)」と呼ばれるものもあり、3つの月見を合わせて「3月見」といいます。
十三夜とは、十五夜の後にやってくる旧暦9月13日のお月見のことであり、十日夜とは、旧暦10月10日に行われていた収穫祭のことです。

中秋の名月=満月ではない?

「2021年は8年ぶりに満月だった」というニュースがありましたが、実は中秋の名月が満月とは限りません。寧ろ、満月とは同日にならない年が多数を占めています。

その理由として「月の軌道は楕円状」であることが挙げられます。
旧暦は新月から満月までをおよそ15日として数えます。
しかし実際のところ、月の満ち欠けの周期は一定ではありません。月によっては15日を待たずに満月となることがあれば、15日を過ぎてやっと満月ということもあるのです。
これは、月の公転軌道が楕円形であり、新月(朔)から満月(望)までにかかる日数が最大で15.6日、最小で13.9日と大きく変化するためです。

「中秋の名月が満月かどうか気になる」という方は、「月齢カレンダー」を利用すると便利です。新月を0日目としてスタートし、月の変化にあわせて日が進みます。
パソコンでも検索出来ますし、スマートフォンのアプリなどでもありますので、気になる方はぜひチェックされてみてください。

ちなみに2022年の「中秋の名月」である9月10日は「月齢:13.8」です。
これは満月である「月齢:15」に近いことから、満月ではないものの、晴れていればとても美しいお月さまを見ることができるのではないでしょうか。

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お月見の起源とは


古来から月を愛でる風習は日本にもありましたが、十五夜のお月見が広まったのは「平安時代」とされています。貞観年間(859~877年)に中国から「お月見」や「望月」といった風習が日本の貴族社会に伝わり「月見の宴」が催されるようになりました。
当時の貴族たちは、月を眺めながらお酒を飲んだり、船の上で詩歌や管弦を楽しんでいました。このことは現在のお月見のルーツだと言えますが、今と異なる大きな点は、この頃貴族たちは空を見上げて月を眺めるのではなく、水面や盃の酒に映った月を愛でていたということです。

最初は貴族社会の間だけの風雅な催しでしたが、庶民の間にまで十五夜の風習が広まったのは江戸時代に入ってからです。ただ平安時代の貴族とは異なり、収穫祭や初穂祭の意味合いが強く、無事に稲を収穫できた喜びを分かち合い、感謝する日だと結び付きました。

そして現在、「中秋の名月」の日に美しい月を眺めながらお供え物をし、豊作への祈りと感謝の気持ちを月の神様へ捧げる行事となりました。

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芋や稲の豊作を祈るお祭り

丸い満月は、豊穣の象徴だと言われ、「満ち欠けする月の様子」や「作物が月の満ち欠けとともに成長する」ことから、農作物の収穫、ものごとの結実、祖先とのつながり、それぞれに感謝し、月に祈るようになりました。農作業は月の満ち欠けに合わせて行われていたため、月の神様には五穀豊穣のご利益があるとされていたのです。

また、稲の豊作祈願だけではなく、芋類の収穫祭ともされています。
中秋の名月は、秋の収穫物である里芋をお供えする風習もあることから、別名「芋名月(いもめいげつ)」とも呼ばれています。里芋をお供えするのには、芋類の収穫を祝い、収穫に感謝する意味が込められています。これは、米ではなく里芋などの芋類が主食として食べられていた頃の名残なのだそうです。

           
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中国の「中秋節」

お月見の起源の中に中国がでてきましたが、中国では毎年旧暦の8月15日に中国4大伝統祝日の一つである中秋節(ちゅうしゅうせつ)という行事が行われています。
中秋節は秋節や団円節とも呼ばれ、その日になると人々は各地から家に帰って共に食事をし、灯篭に灯をともしてお祝いをします。
また、中秋節といえば、必ず食べるのが「月餅(げっぺい)」と呼ばれる、月に見立てた丸く、平たい形をしているお菓子です。月餅は円満と幸福の象徴です。

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中秋の名月のお供え物


お月見団子

中秋の名月の食べ物といえば、やっぱり月見団子が欠かせません。
収穫物であるお米を使って団子にし、農作物の豊作を祈る意味が込められています。十五にちなんで一寸五分(約4.5cm)の大きさの丸いだんごを作ると縁起が良いとされています。ただし、ピンポン玉のような真ん丸は死者の枕元に供える「枕だんご」に通じるため、ほんの少しつぶすとよいといわれています。数も十五にちなみ15個お供えします。

飾り方は1段目に9個(3×3)、2段目に4個(2×2)、3段目に2個という山型のようにして、三方に白い紙を敷きお供えします。お供えする場所は、お月様から見えるところか床の間にお供えします。
また、そのお供え物をいただく事で月の力を自分にも分けていただき、健康と幸せを得ることが出来ると信じられています。

ぶどうなどツルのあるものをお供えしてそれを食べると、お月様との繋がりが強くなるとも言われているようです。

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ススキ

お供え物の一つにススキがあります。
ススキは秋によく見られる植物で、月の神さまをお招きする依り代(よりしろ)としてお供えをします。本来は稲穂でしたが、十五夜の時期には稲穂がないことから、次第に形が似ているススキが使われるようになりました。またススキは魔除けの効果があると言われており、災いや邪気を遠ざけ豊作を願う意味も込められています。

ススキの飾り方に、決まりはありませんが、日本では奇数が吉兆と言われているので、飾る際は1本、3本もしくは5本くらいにするとちょうどいいのではないでしょうか。
また、ススキ(尾花)・クズ(葛花)・ナデシコ(瞿麦)・オミナエシ(姫部志)・フジバカマ(藤袴)とキキョウ(桔梗)・ハギ(萩)を「秋の七草」と呼び、合わせて飾ることもあるようです。

秋の七草はその花のどれもが落ち着いた色味で、優しさを感じます。
ぜひ中秋の名月の日に飾ってみたり、秋のお散歩で見つけてみたりしてくださいね。

イモ類

秋の収穫物である里芋をお供えする風習もあります。里芋をお供えするのには、芋類の収穫を祝い、収穫に感謝する意味が込められています。これは、米ではなく里芋などの芋類が主食として食べられていた頃の名残からきています。

旬の野菜・果物

その他のお供えものとして、旬の野菜や果物もあります。
江戸時代には、月見団子や里芋、枝豆や栗に加えて、柿や梨、ぶどう、大根などの季節の実りが供えられました。また十五夜の夜は「お月見どろぼう」という風習があり、軒先や玄関、縁側にお供えした月見団子を子どもたちが盗み食いをしていきました。月の出ている間なら、他所の供え物を無断で盗んでも構わないと言うものです。
お団子はお月様が食べたものとされ、縁起が良く、盗んだものを食べると健康と幸福が訪れると喜ばれたようです。

龍名館の中秋の名月


中秋の名月

ホテル龍名館東京では毎年中秋の名月に向けて、お月見団子やススキをロビーに飾って皆さまをお迎えしております。また、ホテル龍名館東京では行事食として、朝食に「お月見団子」をご用意いたします。朝食をご利用の方はぜひお召し上がりくださいませ。